「平成風俗」椎名林檎×斉藤ネコ [音楽]
映画「さくらん」の音楽があまりにも見事だったのでサントラが欲しかったのだがどうやら作成されていない様子。その代わり映画をイメージして作成された椎名林檎の「平成風俗」をレンタルして最近毎日聴いている。
彼女のデビューアルバム「無罪モラトリアム」は文句なしの傑作だった。心臓を鷲掴みにされたよ。フリッパーズギター以来の衝撃であった。そして彼女は売れた…いや売れすぎた。彼女はサザンやミスチルのような表街道を歩く人間ではないよ。もっと屈折したミュージシャンだよ。すごいミュージシャンだけど彼女の歌がベストセラーになるのは何か違うような気がする。彼女は誤解されて売れてしまったのではないだろうか…それに反発するかのように彼女の歌はどんどん実験的な方向に進んでいく。ボーカルを歪ませてノイズを載せて意識的にメジャーシーンから外れようとしているように見えた。どんどん素のボーカルに厚いコートを載せて自分を見せないようにしているようだった。
彼女のオリジナルアルバムとしては4年ぶりになるそうだ…もうそんなになるんだね。いやゴメン甘く見ていたよ。「さくらん」が素晴らしい映画だったおかげもあるがこのアルバムの出来も素晴らしい。久しぶりに厚いコートを脱いだ素の彼女のボーカルが聞こえてきた。音楽スタイルとしては全然違うがボーカルスタイルとしては「無罪モラトリアム」の頃に戻ってきたような気がする。
おかえり林檎ちゃん。
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